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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2009年8月
歳月の中にそよげる向日葵の幾万本に子を忘れゆく
いとけなく泣きて帰りし裏の辻今病む父を尋ねゆく道
あの胸が岬のように遠かった。畜生! いつまでおれの少年
わが額にかそか触るるはわが髪にあらねはるけき岬(さき)に潮(しお)鳴る
ながめつつながめ尽くせず夏暮るる樹樹の繁りのやどす表情
水族館(アカリウム)にタカアシガニを見てゐしはいつか誰かの子を生む器(うつは)
暁(あけ)までをひとり起きゐてかく道に佇む幾度 生は闌(た)けつつ
日々われらやさしき嘘と嘘にてもよきやさしさにまみれて過ぐす
YEN再びマッチョになる日を夢みむか夏の喉(のみど)を降るバーボン
月も日も吾等が爲の光ぞといひてし日より天地を知る
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