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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2009年9月
男根はさびしき魚と思ふとき障子に白き夜半の月かげ
ここにただ仰ぎてゐたり青空を剥がれつづける場所の記憶を
越えなくていい壁もあり沿ひながら行けばかすかに木犀匂ふ
もうずっとそこにあるような雰囲気で子の顔の真中に置かれしめがね
アボカドの種子に立てる刃 待つといふ時間はひとを透き通らせる
「好きだつた」と聞きし小説を夜半に読むひとつまなざしをわが内に置き
吾の生を矛盾だらけとあげつらひ秋刀魚食ひたり二匹食ひたり
吾の生を矛盾だらけとあげつらひ秋刀魚食ひたり二匹食ひたり
横抱きにしてベッドまで運ぶ母野菜に近き軽さなりけり
口紅と座薬とジャムと練りからし冷ゆる冷蔵庫夏過ぎてより
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