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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2010年1月
わが友の樣といふ字をみれば人はいたくさまざまにこの字を書きつ
夜の梢ふかぶかとせる地上にて少年が少年とボール投げあう
いっさいが余白となりて 雪の朝なにほどもなきわたしが居たり
妹の門鎖(さ)されゐて仕方なし土産の乾燥芋を投げ込む
薄闇のあなたの底へ降りてゆくわれは言葉の梯子をかけて
蔑(なみ)されて美(は)しき東洋黒馬の踏みたつごときSUSHI・BARの椅子
友の家の厠へゆくと下駄穿きぬみやこべ遠くわれは来てあり
上官でありし男の死を聞いて一人笑いをしている父は
活けるまま糠揉み込みてぬめりとるあな耐へられず蛸の目を抓(つ)む
大いなる火皿となりて阿蘇ありし誰の死後ともなかりし劫初
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