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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2010年2月
たはむれにきくとしもなく振る土鈴こころひとつになりゆくばかり
「嫌(や)な子だね」吾(あ)に母言へりうからとの写真も直立不動の姿勢
宇宙塵うっすらふりつもるけはいレポート用紙の緑の罫に
夕闇に人を渡してひとときはまぶしきものか如月の橋
不気味なり何仕出(なにしで)かすか分からない無遅刻無欠勤つづける彼の
如月(きさらぎ)の雨は時どき温(ぬく)く降る八つ手の花たちぱちぱち弾む
いひたいことに突き当つて未だ知らない言葉子はせつなげに母の目を見る
ちちのみの父の見のこしし夢ならむ咲きいそぎたる梅に雪降る
アーガイル模様の母音ひびきだす北へと向かうバスに乗るとき
杉山に雪降りつづきなんでこう水墨画めく視界であるか
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