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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2010年4月
父母はなく君なく子なくひとりなる実感もなし春ふかきかな
人間の壊れ方にもいろいろとあるがわたしはひび割れている
いのちひとつただありがたく保たむにその他無用といふにもあらず
〈燃えるゴミ〉の袋にたまる紙オムツわが父はもうだれにも勝てず
我が腕に溺れるようにもがきおり寝かすとは子を沈めることか
バゲットの長いふくろに描かれしエッフェル塔を真っ直ぐに抱く
怒(いか)る時/かならずひとつ鉢を割り/九百九十九(くひやくくじふく)割りて死なまし
やれやれ、と僕は思った。ぼんやりと村上春樹の文体に寄る
埃吹くモスクに立てば屈葬の形に人ら礼拝をなす
ひとりごとつぶやきながら節ぶしのゆるみはじめてゆくにゆだねつ
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