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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2011年4月
桜花なべてさかしまに咲く池の面(も)に笑顔いくつか泣き顔となる
聾児らの劇「幸福」はいま終へて静かなる拍手ながくながくつづく
月光の夜ふけをつんと雪に立つ蓬(よもぎ)のこゑを聴きし者なし
仕事終へ白布かければ計器類にはかに支配者のかたちをくづす
りすが駆け抜けた気がして夜明けまで三校を見つ l(エル)一つ消す
唇にはりつく桜花まがなしく紙片一枚の関わりにいる
風ゆきつもどりつ幌を鳴らすたび四月闌けゆく三月書房
透明になる過程が見たい紙一重というところが見たい
浮彫(レリーフ)の校歌に夕のひかり射し家族は見上ぐ投票に来て
胸の傷かくして立てばさびさびと砂地に雨の降りたまりゐる
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