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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2011年8月
流灯に重なる彼の日の人間筏わが魂も乗りて行くなり
声もたぬ樹ならばもっときみのこと想うだろうか葉を繁らせて
さかみちを全速力でかけおりてうちについたら幕府をひらく
耳を切りしヴァン・ゴッホを思ひ孤独を思ひ戦争と個人をおもひて眠らず
おほかたの友ら帰りし構内に木の椅子としてわれを置きたし
海風は君がからだに吹き入りぬこの夜抱かばいかに涼しき
襟元をすこしくづせり風入れておもふは汝(おまへ)かならず奪ふ
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