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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2012年1月
朝床にきく風音のゆたかなり鯉幟ながき尾をふりあぐる
カツ丼とおやこ丼とはちがふから慌てずに見よどんぶりの柄
油さしの長い触覚/油をさせば/歯車に踊る朝の心だ。
その名さへ忘られし頃/飄然とふるさとに来て/咳せし男
子を抱く妻残しきて時計塔に雀こぼるるさまに向かえり
足元に降り積む雪を見てをれどさびしくてわれは木などになれず
自転車を駆(か)るゆふぐれに天空にふたこぶ駱駝うまれては消ゆ
肛門が/一つしかない人間に/もう用はない/出ていきたまえ
まがね鎔け炎の滝のなだれ落つる鎔炉のもとにうたふ恋唄
人はみな馴れぬ齢を生きているユリカモメ飛ぶまるき曇天
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