コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2012年8月
あちこちで瞬くひかり人の役に立ちたいって顔をかき分け進む
病むわれをなぐさめがほに開きたる牡丹の花を見れば悲しも
なんだか、/なんだかとつても/かなしいんだ//サン・マルコ広場の人/鳩まみれ
さ夜ふけていくさの塲(にわ)にきて見ればほむらたちのぼる屍(しかばね)の上
気が付いた時には世界の中にゐて海見むと海に来るのことのあり
紫の理想の雲はちぎれぎれ仰ぐわが空それはた消えぬ
折り返すマラソン走者のおほきなる呼吸がわれの呼吸こえゆく
熱を病むわが子の脈をさぐりつゝ窓ごしに見る日まはりの花
あまだむ軽きジャンプの終るまで地球の自転やや遅くなる
「行つて来ます」言はずに登校したる子の茶碗のねばねばいつまでも洗ふ
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
固定ページ
2
固定ページ
3
次のページ