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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2013年1月
冬波のしぶきのあとの乾きたる眼鏡をはずし卓上に置く
燐寸と書きてマッチと読むことを知らざる子らが街を闊歩す
題名が怖くて長く読まざりし『とびらをあけるメアリーポピンズ』
西日カッと部屋にさしこみあらあらと一枚の壁起ちあがる
よきものとなりますように 落鳥の地から萌え出る楡の木もあり
花育て草抜き落葉掃く日々を重ねて青年と呼ばれずなりぬ
憧れは哀しからずや病窓に 果実に飽きしみどりごのあり
躓きし足よりその日そこにいし石の不運の方が痛しも
コカ・コーラじんじん甘し身のほどの泪の薄くにじみくるまで
にがき夏まためぐり来て風が揉む無花果に不安な青き実の数
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