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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2013年9月
初雪やてのひらに受け歩を止めてみんな近しき人となる街
自転車を盗みし父のあとを追ふ かのかなしみは我に帰り来ず
もくれんのわらわら白いゆふぐれは耳も目鼻も落としてしまふ
くす玉から平和のハトが弧をえがくドームの骨の上の青空
夫と子と季節のはざまに変態し擬態し女らやはらかくゐむ
わたしたち/わたしたち/わたしたち/わたしたち/わたしたち/わたしたち /わたし
あなたにはあなたの雲の数へ方ある 新しい眼鏡が似合ふ
ニュートリノ奔る気ままさもて晩夏全身を貫いて去れる喩
白昼に覚めたる眼(まなこ)ひらきつつ舟の骨格を見わたすごとし
長き竿を前籠と肩に押さへつつ自転車はまづ大通りを渡る
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