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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2014年3月
虫籠のやうな肋骨わたしにもありて夜々こほろぎが鳴く
蜜入りの南高梅の一粒をねぶりて足れるわが夕がれひ
筆圧を等分にして書かれたる君の手紙は白を深めつつ
こゝをまたわれ住み憂くてうかれなば松はひとりにならむとすらむ
父母がつけたるならん次々に名を呼ばれ氷上に出で来る選手
原発が安全ならば都会地になぜ作らぬとわれら言ひたき
除染とて地の面までも剥がれつつ見る見る町が無くなりそうな
昔むがす、埒もねえごどあつたづも 昔話となるときよ早来よ
百キロで走ってごらん掌を出せば触るる空気は乳房の如し
炎の尖は澄みて春暮のあかるさへのびあがりまたのびて澄みゆく
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