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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2014年10月
店頭に積まれたゼリー透きとおり桃の欠片(かけら)を宙に浮かべる
白露の色は一つをいかにして秋の木の葉を千ぢに染むらむ
母の顎に一本のひげが伸びてきぬをかしくもある老い極むるは
たましひの見えざるところ崩れゐてをのれ黴臭くにほふと思ふ
指先より冷え初むる朝ポケットの切符の稜(かど)の尖りたしかむ
山かげを立ちのぼりゆくゆふ烟わが日の本のくらしなりけり
子の学費払い終えたるビルの狭間篠懸の刈られいるを仰ぎつ
つひにゆく道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを
真鍮の分度器はつかに曇る朝母よあなたは子を見失う
おぼろなる月もほのかに雲かすみ晴れてゆくへの西の山のは
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