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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2015年5月
頭から洗いはじめたるわれを不思議なにんげんという
勝ちたるは寂しきことと語りたる棋士は晩年ますます強し
筑波根の新桑まゆの糸なれや心引くよりみだれそむらん
エボラ熱隕石のごと降り来たり村人は死に菌も死にたり
危き足に走りゆく者なり追ふ勿れ笑ふ勿れ影を見送れ
みづいろの楽譜に音符記されずただみづいろのまま五月過ぐ
夜半の雨しずかに心濡らすとき祖母たちの踏むミシン幾万
わたくしのまはりを飛ぶな 鱗粉に指よごしつつ蝶を煮てゐる
ほととぎすけはしき声を吾が聞けば竹負ひてよろめくをあざ笑ふにや
雲雀料理の後にはどうぞ空の青映しだしたる水を一杯
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