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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2015年12月
こがらしのあとの朝晴間もなくて軒うすぐらみ時雨降るなり
傘の上ほどろほどろに雪こぼれ地蔵のこころにたたずむわれは
航跡が消えずにのこる夢を見た びるけなう、びるけなう 遥かなり
感情の波のまにまにあらはるるドリアン・グレイの老いし肖像
小雪に凍みた茶褐色の風景があり、うしろ影をみせて行くわが子を見た
風を身にあつめて帰りたる夜にわれの内部に篠笛は鳴る
思慕清く胸こみあげて複製のちいさき絵にもしばし救はる
真直なる生は誰にもあらぬもの雪原を行きし人の足跡
窓もたぬ夜の壁面に影うつる冬木のいちやう枝しげくあり
ノルウェー産ししゃもぢりぢり炙りたり地球寒冷化を説く人もいる
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