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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2016年5月
昏れおちて蒼き石群[いはむら]水走り肉にて聴きしことばあかるむ
翅ひろげ飛び立つ前の姿なす悲という文字のアシンメトリー
もやもやとだまされてゐる春日暮れ二円切手のうさぎ愛[め]ごくて
子をいつか困らせぬようアルバムは燃えざるリングのつかぬを選(よ)らん
憶えたことすべてわすれて想像でうろつくかもねいつか上海
しづかなるたたかひさながら春の雪吸はるるごとく木立に降りこむ
むかしむかしの小川が流れてゐるやうだ芹食べてあかるく澄んでゆく咽
うごく手は罰せられたりははの手を安全帯なる布が縛れり
髪の毛をしきりにいじり空を見る 生まれたらもう傷ついていた
この家に女(をみな)をらねば鏡という鏡くもれり秋ふかむ中
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