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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2016年8月
ろうそくの明かりの芯で揺らぐのは人のなかなるけだものの性(さが)
檸檬の実 雨に濡れつつゆっくりと明るい檸檬の色になりゆく
浴槽をさかさになつて洗ひゐるこのままかへらうあたたかい海へ
たまさかに共棲はじめた六十歳代皆若き日の海市見せ合う
にはとりも備品であれば監査前に何度もなんども数をかぞへる
残酷な童話は語り尽くしたと足腰伸ばすあたしの老婆
兵器考案その手すさびに創られて撃たれつづけるコの字型針
栃の実を拾へる童子見張りをるけもののけはひ、紺青の時間[とき]
新春の空の深さをはかるべく連なる凧を沈めてゆきぬ
扇風機を胸に抱きてはこぶときしづかにまはる透明の羽根
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