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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2016年9月
包丁で刺したる男「恨むならヒッタイトを恨め」と呟けり
ひとつづつ透きゆく卵パックには阿古屋貝のかなしみが溜まる
どこまでが路と分らぬ濃霧なり戦場を人生を想ひつつ行く
残像をひきて振り子は狂ひなき軌道のさきのたましひを打つ
今日一日身を鎧いいしジャケットの型くずれたり椅子の背が着る
「斎藤さん」より少しだけ美しい「真夏の夜の夢の斎藤さん」
寝入りばな何を騒ぐと服たちをタンスに叱ればケータイ現る
一匹の死魚を貰いて一芸を見せるバンドウイルカを目守[まも]る
車椅子の旅「一階の左奥‥‥」「二階の右隅‥‥」と検査室めぐる
むかふ向きに何して遊ぶ二人子かチョークで描きし扉を閉ざし
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