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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2018年7月
ひとつぶのどんぐり割れて靴底に決心のような音をたてたり
二階より眺むる街にひとびとの身に運びゆく季語の多かり
いざというとき駆けあがって逃げるため「坂」を名に持ち吾は生きおり
夜にチョコあげよう石田三成もあげよう
五階より見おろす庭に傘とかさ出逢ひてしばし画鋲のごとし
三叉路でいつも迷っているゆえに木になってしまった紅さるすべり
この世とは忘れてもよいことばかり蜆をひとつひとつ食みおり
父母がゆらゆらなづむ夕つ方サイボーグのやうにあたしは速い
空のなかから降りて来たのかみづいろの自転車風に輝いてゐる
時計より出(い)で来て踊る人形の目線は遠き夏木立かも
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