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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2018年11月
体重は二〇グラムで生きてゐる雀ねむの枝(え)にゐて揺れやまず
〈柿死ね〉と言つてデッサンの鉛筆を放り出したり娘は
くちばしを開けてチョコボールを食べる 机をすべってゆく日のひかり
何故ああであつたか 神の沈黙は押し入つてくる扉閉めても
炎天に悲しい胸が光るまで僕はあなたと広場に立てり
コマーシャルのあひだに遠く遅れたるこのランナーの長きこの先
天皇が原発をやめよと言い給う日を思いおり思いて恥じぬ
藤棚のやうに世界は暮れてゆき過去よりも今がわれには遠い
尽くすほど追いつめているだけなのか言葉はきみをすずらん畑
勢ひのある白雲よ一色(ひといろ)のからだすみずみまでうごくなり
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