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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2020年2月
藻のなかに潜ひそむゐもりの赤き腹はつか見そめてうつつともなし
針葉樹は燃えやすい樹といつ誰に教はつたのか、空よ、夕焼け
友人がベジタブラーになったらしいならなくていいと思いました
空席を探すあなたを淡い陽はジョルジュスーラの絵にしてしまう
死ぬもよし死なぬもよろし又ひとつどうでもよしの春は来にけり
何歳になったの? などと子はわれを木の葉木菟コノハヅクのように見つめる
かが鳴きて夕はかへる荒鷲の翅つばさにしのぐ筑波やま風
咽喉ふかくうるほしうるほし生きてゆく目白も日雀も四十雀はも
星座を結ぶ線みたいだよ 弟の名前を呼んで白髪を抜けり
べつべつに絵を視ることになれてゆく河口のやうな午後のうすら陽
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