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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2020年9月
野べに来て萩の古枝を折ることはいま来む秋の花のためこそ
ふいに雨 そう、運命はつまづいて、翡翠のようにかみさまはひとり
容赦なくシンクに溜まる生ゴミはせめて何かのメタファーであれ
月の中にひびきのぼると思ふ迄霜よのかねに影ぞ冴行
人みながねむる眞晝の野原なれ乗りてなき自轉車遠く過ぎたり
今朝のあさの露ひやびやと秋草や總べて幽けき寂滅ほろびの光
紅梅の花にひねもすこもり居てまだあるのかいとたづねつ
樹のなかに馬の時間があるような紅葉するとき嘶いななくような
いつになく張り切っているポケットに今日は切符を任せてやるか
その羽に天ひるがへし身に享くる時間せまくはなきかつばめよ
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