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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2021年4月
千人の午睡を運ぶ巨大機の三万フィートの春のたそがれ
ひこばえの低く吹かるるひまに見ゆ雀の貌のかくあきらかに
幾百万突き刺さりくる線描の天のしぶきのサイゴンの雨
坂をくだれば腿の高さの突き当たりにガードレールが見えている坂
白杖の先に桜の花びらが貼りつきてをりそのまま歩く
このビルはカラオケになる私なら歌うためのビルそう思って建てる
片側を闇にのまれてそよぐ樹を観ればかつてのわたくしならむ
ゴンドラが緑の谷の上をゆく うれしさと不安の起源はおなじ
匂ひの記憶、ではなく記憶そのものの匂ひとおもふ四月の雨は
泥のしみこんだ軍手を手にもって立っている次に見る夢にも
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