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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
大松 達知
忙(せは)しからむ日のはじまりはことさらにゆつくりあゆむ重心下げて
ともかくも家の明かりを全部消す今日のつじつま合はなくてよし
Welcome to JFK と死者の名の大き文字見ゆ機窓より見ゆ
そしてまた歳月が過ぎここはもう廃墟ですらないかすかな起伏
葡萄色の/古き手帳にのこりたる/かの会合の時と処かな
「住民票一通三百円です」ともう千回は言つてるだらう
砂に寝て聴いてをります波とわれ息が合ふつてかういふことか
蜂の屍のかろく乾ける浄らにて落花のほども媚びることなし
戦争をなくす呪文を口々に唱えて人のつらなりが進む
咲く花は五分こそよけれ身のうちに残れる五分の力ににほふ
しづもれる杜が見えつつゆつくりと樹木のなかを過ぎゆく時間
やや重いピアスして逢う(外される)ずっと遠くで澄んでいく水
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