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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2013年2月
カミガミノムレアソブ カノ/ムラサキノウミノ アカツキ/ アブラアビ トリハシニウキ/パケム ウィルムクエ カノ
排泄の音が聞こえる静けさに肩のしこりをほぐさむとする
別に嫌な人ではないが演出の方針なればギラギラと撮る
馬の屁のやうな匂ひの風が吹きぽつりぽつりと雨が降り来ぬ
書く前の会津八一が白紙を見据ゑてじつと立ち居る写真
曖昧に蓴菜(じゅんさい)すする昼の餉(け)や薄暮家族となりゆくわれら
かぎりなくかぎりなき雨かぎりある生を厭ひてかぎりもあらね
早春の風を踏みつつ来しなだり紅梅その他君の背も見ゆ
エントランス前で雪かきする人がはげしき息の挨拶をせり
救急車のサイレンに二つの表情あり近づく不安離(さか)る哀感
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