コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2021年6月
とおきわが生命記憶のくらがりに死ねざりし父のいのちたゆたう
夜に降った雨が上がっている朝にバス停の屋根をはみ出して並ぶ
ひつそりと引き込み線が蜘蛛手なす昼の軌条のにぶくひかりて
よる深くふと
握飯
にぎりめし
食ひたくなり
握
にぎり
めし食ひぬ寒がりにつつ
この星の重力美しく青々と梅の葉かげに球体実る
ふらふらと
眩暈
めまひ
おぼえて縁側ゆころげ落ちたり冬照る庭に
地名に人の歴史はあかく血飛沫くを愚政の果てに消えゆきにけり
人間
にんげん
はみな柔かに歩み居るビルデイング寒く舗道寒くして
動画配信の塾の広告配りつつこの教室は既に瓦礫だ
休載のお知らせ
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
固定ページ
2
固定ページ
3
次のページ