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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2021年8月
七階に空ゆく
雁
がん
のこゑきこえこころしづまる吾が生あはれ
尿する犬見てあれば人生の途中の時間あたたかくなる
草むらをひとり去るとき人型に
凹
くぼ
める草の起ち返る音
かくも長き戦後を写真の廃墟にて立ちつづけゐる裸足の男の子
どの店のガルソンもマツチを二つづつくれる不思議さをかんがへて見る
風防がらすのかけらをこすつてわかるものだけ手をあげてごらん
眉
まゆ
しろき
老人
おいびと
をりて歩きけりひとよのことを終るがごとく
極東の列島は原爆実験にふさはしかりしか ああいまもなほ
伏せてあるコップをひっくり返したら内側の暗さが浮き上がる
体験を語らずに逝く人たちを思う小川の白き藻の花
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