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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
嶋 稟太郎
食べ物を食べてしまう 蛍光灯をつけたらまぶしい 布団を着る
一歩づつ全世界足のうらにきて世界を移しながらの下山
平坦になるべくすべてを平坦に たとえば青空や身体を
ポイフルを振る 青が出る この夜をなにかの胎(はら)と思って歩く
摑みゐるものなきままにクレーンより垂れたる鉤は陽を反しをり
木は老いて痩することなし梅の実のみどり重たく庭を統べつつ
偶然の角を曲がってあと何度入道雲を見上げるだろう
多摩川の砂にたんぽぽ咲くころはわれにもおもふひとのあれかし
三日月が風がないのに揺れている夜空は天動説を深めて
たつた二歳だつたのよお父さま 老婆になつたわたし しろ瓜
雑木林におれがいてすごい おれはすごい 高く焚かれた火を舐める月
病みませるうなじに繊(ほそ)きかひな捲きて熱にかわける御口(みくち)を吸はむ
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