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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
嶋 稟太郎
花水木の道があれより長くても短くても愛を告げられなかった
あらかじめ持てりし雨をことごとく土に返して春はゆくめり
なにとなく草の花さく野べの春雲にひばりの声ものどけき
青空を渡る彼方の白雲に入りて飛機航く音の絶えけり
一睡もしてない、みたいな一滴も飲んでいない、の言い方が要る
グッモーニン人生どうでも飯田橋人生どうにか鳴門大橋
居る、または居ない、で言えば居る寄りの夜 隣人の水の音する
漁火が遠くに見える夜の海は見えないだけでたくさんの水
ひったりとつつまれるなら春色のニットを纏う あるいは、脱ぐ
深川の八幡(はちまん)のまつり延びけらし街のかざりを取りゐる真昼
観客のなきスタンドは深々と塗られし椅子があをく連なる
炭竈をのぞきて我はあかあかと照り通りたる炭木を見たり
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