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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
自らにつぶやくように小(ち)さくなりしかれども炎(ほ)はおさまりみせぬ
相聞もインターネットでかわす恋仮想現実ゲームのなかで
子は天与の者にてあるか秋の陽は贋金(にせがね)のごと黄菊を照らす
「さびしい時うさぎは死ぬ」と母言ひき呪文めきたるさびしき言葉
苦しみの実りのごとき柿ありて切なしわれの届かぬ高さ
おとうとはとほくてたふとい 其の背なにいつより触れずわれらねびゆき
雨蛙刺されしのちの脚いたく長しと思ひぬ冬庭の鉢
壮年期過ぎむとしつつ一人称「われ」といへどもはるかなる他者
木枯の生まれた海にゆくまでは文字はやさしい鍵だったのに
見覚えのあるコート着て長椅子に偶像のごとき妻ゐたりけり
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