コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
安心といふのはかういふものだらうひとつの花にひとつのめしべ
父といふニコチンまみれの気まぐれは童女(うなゐ)の髪を指もて梳くも
湯の中に塩振りながら ブロッコリーお前程いさぎよき緑になれたら
さびしさは父のものなり水底(みなそこ)の泥擦り上げて真鯉浮かび来
春の日を家居せりけり擦れ違ふ人なくて曇りゆくわが面(おもて)
降りみだれみぎはに氷る雪よりも中空にてぞわれは消ぬべき
右半盲の母の視界の外に立ちミモザの花はあふれて咲けり
遠空に音なき雷が瞬きて人ひとり娶らんおののきを持つ
会えなくていいような気になりかけて春の枯れ葉にさし入れる足
婚姻のつめたくひかる虹のため足らざる色を持ち寄りにけり
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
…
固定ページ
481
固定ページ
482
固定ページ
483
…
固定ページ
487
次のページ