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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
恨みの数つもりて老いは苦しきにいにしへびとは太鼓打ちたり
ねむらないただ一本の樹となってあなたのワンピースに実を落とす
銜(くは)へ来し小枝はくちばしより落ちぬ改札を抜け君に笑むとき
指半分出る手袋をして会えば指半分だけが見つめられたり
甘えたき気持ち悟られまいとしてイルカのやうな明るさを見す
やや冷えしブリ大根を熱き飯(いひ)に載せてぞ食うぶ春立つあしたを
単純でいて単純でいてそばにいて単純でいてそばにいて
鬼の面はづしてみればあはあはとひかりあひつつうみに咲くはな
かかる深き空より来たる冬日ざし得がたきひとよかちえし今も
吊られあるわがオーバーの若き日の父立つに似ていきどほろしも
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