コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
染野 太朗
蜥蜴の尾あをくきらめくきざしくる生への意志は信じがたくも
白梅の輪郭だけを光らせて夜の微雨去れり 悪の限りを
酒とジュースのハーフはつねに酒なれど遺伝子はわれと子を分かちたり
枇杷の葉は日差しに透けず測量の人たちが集まって笑った
短足を櫂として漕ぐ水中の河馬の軽さよ尻尾も短い
わたくしを生きているのは誰だろう日々わずかずつ遅れる時計
洗濯機回る音すらうたた寝に母在りし日の音とし聞こゆ
歩数ゼロの携帯にメール、またメールわたしは今日はじつとしてます
噴水を創りし人のはるかなる水きららかに巡りてゐたり
きちんと育てられたんやねと君は言ふ私の闇に触れてゐるのに
鏡台の位置を変えれば意外なる明るき光の中に貌あり
死ぬまえになにが食べたい? おにぎりと言おうとしたら海が開けて
投稿のページ送り
前のページ
固定ページ
1
…
固定ページ
4
固定ページ
5
固定ページ
6
…
固定ページ
13
次のページ