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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
山木礼子
もはや跳ぶほかなきゆゑに此の距離を跳べると思ふ おもふゆゑ、跳ぶ
鉄橋を渡つてゆけりわかつたなわかつてゐるなと念押しされて
道をゆきあてなきあゆみせるわれの
額
ひたひ
に動くおそあきの風
燃えさかる風車の画面のぞくとき炎のなかに映る眼球
疲れきつては出せない声もあることをきのふの雪がにじみこむ川
来るひとの骨のよごれが見えてしまふ果樹園を抜け帰つてきたら
さみしがる力を持った恐竜が鳥になったということにして
掌で彗星を止め悲しければ悲しいほどソムリエであれ
ホモ・サピエンス風邪ひきの鼻をすすりあげ春の障子に影うつしゆく
転びたるまま静止する老い父と小石の娘、雨に打たれる
もう一生かなわない夢甘くされ瓶入りのマーマレードジャム
スタート・ブロック一気に蹴らむその四肢の力たわめて膝つく走者
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