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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
井上 法子
遠目には宇宙のようで紫陽花は死後の僕たちにもわかる花
水の夢イチローの夢ひとしきか老いを知らねば夜半の虹たつ
さみしいは何とかなるがむなしいは 躑躅の低いひくい木漏れ日
知らぬ間に握つてゐたるレシートを伸ばせば三日前の、切手の
白磁器にたまるうすら陽かなしがり方のしずかなひとに寄りゆく
物干し竿長い長いと振りながら笑う すべてはいっときの恋
あをあをと螢は消えていま闇は滴るばかりみづのにほひす
ガスタンクこわごわみればみどりなすともだちのこえ だあ、るま、さん、が、
後ろ前に着たらくるしい首元のやわらかければいいのにな死が
あかときのカーテン青く、水槽をよぎる魚影のやうにさびしい
「smileの綴りはスミレとおぼえてた」どうりでそんなふうに微笑む
一枚の永遠ありてはつなつのみどりの中をはにかむひとり
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