三井 修


虫よけにあなたの植えるマリーゴールドこんな形の防衛もある

松村由利子『耳ふたひら』(2015年、書肆侃侃房)

 マリーゴールドは4月から10月頃にかけて黄色や橙色や暗紅色などの花を咲かせるキク科の植物である。除虫菊に代表されるようにキク科の植物には防虫効果があるようで、マリーゴールドの根にも線虫の防除効果があるということで、他の植物の間に植えらえることがある。そのような植物を「コンパニオンプラント」とい言うらしい。因みに、「マリーゴールド」という名前の由来は、聖母マリア(マリー)の祭日の日に咲いていた金色(ゴールド)の花、ということらしい。

 作者のパートナーはその花の防虫効果を知っていて自宅の庭かどこかに植えて、その効果について作者に話したのであろう。そして、作者はそれを「防衛」だと捉えた。作者が住んでいるところは「防衛」のために、米軍基地に県土の10.4%(沖縄本島だけで言えば18.8%)を占められている沖縄の石垣島である。作者は「防衛」という言葉に強く反応した。沖縄の実情が「防衛」というのなら、こんな美しく穏やかな「防衛」もあるのだと思ったのかの知れない。

 見方を変えると、美しい花で人間を楽しませてくれるマローゴールドも実は地下の根で虫との激しい攻防を行っているのだ。物事にはすべて二面性がある。物事を一面だけでは見ないで、常に隠されている反対側の面をも考えて、相対的に考えようとしている作者なのだと思う。

      サントリーホールのチケット購入し島抜けという言葉思えり

      割らぬ限りその美しき断面は誰にも見えずあなたの石も

      面倒な外来種だと思われているのだろうかクジャクもわれも