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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
大松 達知
ねむれ千年、ねむりさめたら一椀の粥たべてまたねむれ千年
山深きあかとき闇や。火をすりて、片時見えしわが立ち処(ド)かも
灯台に白きちいさき柵の見ゆさっきまで手が握りていたり
たとへばジョージア・オキーフの花 真鍮のノブを回したところに待つは
張りのある声の戻らば走りゆく橇を曳きゐる鹿呼びとめむ
かたつむりとつぶやくときのやさしさは腋下にかすか汗滲(し)むごとし
燐寸使ふことの少なくなりしより闇照らすなし濃密の闇を
ジャガイモの芽を丁寧にとりながらまだ沈黙に慣れない背中
〈中ピ連〉をネット検索せしときに「中年ピアノ愛好者連盟」が出る
もう充分にあなたのことを思つたから今日のわたしは曼珠沙華
ま夜なかのバス一つないくらやみが何故(なぜ)かどうしても突きぬけられぬ
産むという言葉の不遜わたくしは子を運び来し小舟にすぎず
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