コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
日高堯子
林檎の花透けるひかりにすはだかのこころさらしてみちのくは泣く
言葉から言葉つむがずテーブルにアボカドの種芽吹くのを待つ
春の雨降りやむまでを電話のない電話ボックスの中で待ってる
ふるくにのゆふべを匂ふ山桜わが
殺
あや
めたるもののしづけさ
人類は「パンツをはいたサル」であり「マスクをつけたサル」ともなった
さくらばな陽に泡だつを
目守
まも
りゐるこの冥き遊星に人と生まれて
もの思ひにしづみゐるのかかはたれを重たげに咲く千年桜は
桜に雨 父はちいさな顔をして枕の上に目をひらきたり
かざし来し傘を畳みて今われはここより桜花の領界に入る
ほろほろと桜散れども玉葱はむつつりとしてもの言はずけり
焼け原のはてに かすかに浮かびゐし、幽鬼のごとき 富士を忘れず
ながらへて
八十
やそ
の命の花あかり。老い木の桜 風にさからふ
投稿ナビゲーション
固定ページ
1
固定ページ
2
…
固定ページ
5
次のページ