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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
門脇 篤史
栗を剝く人のうつむきあるときは知らずの奈落覗きつつ剝く
現実の迂回路であるこの坂に猫の死体がいつまでもある
もうダメだおれはこれから海へ行くそしてカモメを見る人になる
とりの
内臓
もつ
煮てゐてながき夕まぐれ淡き恋ゆゑ多く愉しむ
シャッターが全部下りてる夜の道に似てる打線を知っていますか
風鈴に指紋ありたり夏は疾く遠くなりゆく季節と思ふ
うつむきて髪洗ふときうつろなる背中をまるめ銀河にさらす
焼きたてのチーズケーキが息をする鉄の型より外されるとき
藍くらき手の静脈を眼にたどるちちとなり父に似てきたる手
右からも左からも愛されていて肩をすぼめる九月の寝床
一斉にマロン関連商品の出回りてひとの死にやすき秋
ブロイラーをレグホンの卵でとじたもの同僚一○人一斉に食む
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