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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
山下 翔
疲れると小銭が増えるお財布が奥底にある通勤かばん
雪により細くなりにし路地ゆけばむこうを来る人ふと雪に消ゆ
前髪をしんと切りそろえる鋏なつかしいこれは雪の気配だ
梅干しの種しゃぶりつつ見る月のまんまるなのは苦しいよなあ
スーパーの2階で安くなっていく花火を昨日みて今日もみる
「俺ノ魚ヲ食ッテミロ、でございます」と店員は電話取つたら言ふのだらうか
都会にもあるけど帰りたくなるよ金木犀が写メで届いて
族なるをみな三人海のぞむホテルにこころを曝して語る
睡蓮が水面をおほふ夏の午後こんなに明るい失明がある
視るちから姉妹のやうに異なれる右目左目とぢてねむれり
しずけさおときえてこのひろがりに人いなくひと風のむこうにひと
人人と祈りつなぎてともしびの明かきみ堂に年の瀬を越ゆ
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