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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
土井礼一郎
ひとりにすればふなやひばりやくさきりにつれられてゆきさうなきみなり
流れ去る者とし見ればまぼろしの船頭らみな口笛を吹く
この青き空をのがれむすべもなくもがきて蝶はのぼりつづくる
覚めてまた戦争のこゑ。そしてまた妹が挽くコーヒーの香
ひるがほいろの胸もつ少女おづおづと心とふおそろしきもの見せに来る
こんなにも真白きイオンの片隅に喪服は黒く集められをり
上から見ないとわからないならハート形なんて意味ないこんな湖
旧校舎の窓ふいに割れ、浜風は木の標本を芽吹かせゆくと
ひと時のたのしみとしてこの星に来たのと語るをんなありたり
あめの外をずっと眠っていたい日に窓のある封筒が届いた
おしらせ(土井礼一郎)
これが最後と思わないまま来るだろう最後は 濡れてゆく石灯籠
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