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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
吉田 隼人
各々が干支の獣を抱きしめて保健所へ行くこの昼下がり
狂はない時計を嵌めてゐる人と二度逢ひ三度逢ひ明日も逢ふ
逆光の鴉のからだがくっきりと見えた日、君を夏空と呼ぶ
あらずともよき日などなく蜉蝣は翅を得るなり死へ向かふため
パーマでもかけないとやってらんないよみたいのもありますよ 1円
はい、いいえ、どちらでもない春の野は色づきを深めてゆくばかり
ナボコフの趣味をにほはせ桜木は夜ごと淫靡にふくらみゆきぬ
パンセパンセパン屋のパンセ にんげんはアンパンをかじる葦である
土くれがにおう廊下の暗闇にドアノブことごとくかたつむり
ミュージックビデオに広い草原が出てきてそこに行きたくなった
目薬の成分表をよみあげる声ゆるやかに春の消灯
青嵐ゆふあらし過ぎ街路樹にわが歌ひ得ぬものらはさやぐ
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