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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
染野 太朗
写真に忘れられた海岸をきみもまた忘れるだろう どこまでも道は
わが指が日本地図を指してゆくそこに友だちが生きてると思い
木の周辺部は白太と云うが中心部は赤身と云える 魚のごとし
上顎に湧きあがりつつほどけゆくくしゃみの余韻、中庭に鳩
家々にしずかなる松葉降り当たりうつくしき色、茶色というは
箇条書きで述ぶる心よ書き出しの一行はほそく初雪のこと
帰ったら雑穀ご飯でも食べよ新宿代々木原宿渋谷
今週会った人たちはみんないい人で土曜の夜は紅茶を飲んだ
花火した話を人にしているとときどき誰とと聞く人がいる
寒くなるほどさびしくなっていきやがるカレンダー薄っぺらな心め
もう君の望むことしか言えないよ灰皿に落ちる無数の蛍
ひと跨ぎできるつもりがやや高くいちど腰掛けてから急いだ
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