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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
井上 法子
いづくより生れ降る雪運河ゆきわれらに薄きたましひの鞘
かみくだくこと解釈はゆっくりと唾液まみれにされていくんだ
夕映えがすべてを包む 名を失くし原寸大の地球で暮らす
LED電球を子は「よろこび」と名付けて消して付け消して呼ぶ
体調が悪くて休むと言った人がふつうに働いている午後の時間
カーテンが僅かな凪を抱きこんで止まる 発語はなべて落城
星に星のふるへつたはり手のなかの万年筆をかちりと閉めつ
食卓におく箸置きは星として日々の食事は流星として
浴槽は海に繋がっていません だけどいちばん夜明けに近い
浴槽は海に繋がっていません だけどいちばん夜明けに近い
灯をともすものみな異国の詩を唱え表通りに冬がはじまる
土星が水に浮く 火曜日が休みの週 でもユニクロだよって笑われた
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