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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
山木礼子
まのあたり浄土も穢土も浮びゐてわれはまなこをあけたりふせたり
誰も見ぬ笑顔をつくり堪えがたく振り仰ぎみる林の芽吹き
言葉とうことば殺していちまいの白磁の皿に置く銀ナイフ
三果五果梢にゆらぐ青胡桃夏逝く空のいろひ澄みたり
窓ガラスくらむ
刹那
せつな
のみんなみんな魚の骨のもようのドレス
風のなかにいるということだけわかる気がするのだけれど気のせい
石段に真昼の影はきざまれつ 戦い方を教えてほしい
崩れつつとどまるものは名を持たず揺れながら羊歯の谷を見下ろす
黒々と重き錠おろされいしが大地震は
土蔵
くら
を屋根より崩す
うつくしく痩せゆく「今」を一度二度古外套の釦まさぐる
瞼
リーデルン
-妻のそのながき
緣
ふち
光
て
る毎に恵まれざりしは斯くもうれしく
あぢさゐの花は散りにき
生
あ
れたての星と喧嘩をせし夕まぐれ
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