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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2014年4月
かげろうの卵にも似て街灯はわれらの帰る場所へつづけり
春がすみいよよ濃くなる真昼間のなにも見えねば大和と思へ
置時計よりも静かに父がいる春のみぞれのふるゆうまぐれ
沈み果つる入日の際にあらはれぬ霞める山のなほ奥の峰
死は意外に靜かなるものとその妻に言ひのこしたり醫として生きて
深山木のその梢とも見えざりし桜は花にあらはれにけり
そうやって誰もがいなくなる夜をコップの底のように過ごした
白玉の美蕃登をもちて少女子は夜咲く花の嘆きするらむ
わが顔に夜空の星のごときもの老人斑を悲しまず見よ
四月七日午後の日広くまぶしかりゆれゆく如しゆれ来る如し
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