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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
棚木 恒寿
朝床にきく風音のゆたかなり鯉幟ながき尾をふりあぐる
油さしの長い触覚/油をさせば/歯車に踊る朝の心だ。
子を抱く妻残しきて時計塔に雀こぼるるさまに向かえり
自転車を駆(か)るゆふぐれに天空にふたこぶ駱駝うまれては消ゆ
まがね鎔け炎の滝のなだれ落つる鎔炉のもとにうたふ恋唄
ベランダの縁(へり)に器具もてしっかりと鋏みし布団ながなが垂らす
うらぶれた汚れた孔雀冬ざれの日本にゐて日本に似る
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