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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2017年3月
生涯憎み続けるといふ一言をむしろなぐさめとして覚めをり
原発が来りて富めるわが町に心貧しくなりたる多し
すがれゆくパルテノン多摩若すぎて憎まれるうちに教授になりたい
流されて家なき人も弔ひに来りて旧の住所を書けり
あさかげの今井美樹的東京を数度(すたび)おとなひ数たび憎みき
苦しいと思えば呼吸を思い出す/苦しいと思えば浪江を思い出す
聡きことわづかに憎し主もたぬ犬さへひとを嗅ぎわけて寄る
被災せし人は誰も見ず 鳥瞰的津波映像を見るはわれらのみにて
しどけなく電車に眠る少年の微かにひらくくちびる憎し
若狭より水を送りて大和にて汲みあげている春の仕来り
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