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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2011年9月
つまらなき世辞をさびしみ樹を下る一匹の蟻をわれは見ていき
したたれる蒼さするどさ受けながら身はつくねんと秋空に向く
背中から十字に裂ける蝉の殻 生きゆくは苦しむと同義
ふかぶかと背に包丁の入りしときびくんといさなの尾が跳ね上がる
白桃の和毛(にこげ)ひかれり老いびとの食みあましたる夢のごとくに
夕皃(ゆふがほ)の花しらじらと咲めぐる賤(しづ)が伏屋に馬洗ひをり
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