コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2011年3月
うつたうしき気分の父とカバを見るカバは目つむる花降るときを
雨の日のさくらはうすき花びらを傘に置き地に置き記憶にも置く
家々に釘の芽しずみ神御衣(かむみそ)のごとくひろがる桜花かな
ほらあれさ何て言ふのか晴朗なあれだよパイナップルの彼方の
白鳥の飛来地をいくつ隠したる東北のやはらかき肉体は
思ひ屈してゐたるわが身は立ち上り食ととのへむ籠さげて出づ
真木(まき)ふかき谿よりいづる山水(やまみづ)の常あたらしき生命(いのち)あらしめ
残党を狩るごとく口腔内のフォワグラ舌で拭ひたりけり
人どよむ春の街ゆきふとおもふふるさとの海の鴎啼く声
干し網は白く芝生にうたれつつ輝く時のいまは過ぎゆく
投稿のページ送り
固定ページ
1
固定ページ
2
固定ページ
3
次のページ